鉛系白色顔料(なまりけいはくしょくがんりょう)namarikei hakushoku ganryō

鉛(Pb)を主成分とする白色顔料を鉛系白色顔料と総称する。「鉛白(えんぱく)」は化学的にいえば塩基性炭酸鉛(えんきせいたんさんなまり)(2PdCO3・Pb(OH)2)で、奈良時代に用いられたものは中国からの輸入品であった可能性が高いことが鉛同位体比法による調査で明らかになっている。一方、正倉院宝物中には、塩基性塩化鉛(えんきせいえんかなまり)(塩化水酸化鉛、PbClOH)や塩化鉛(PbCl2)を使用した例も確認されている。奈良時代には鉛白のことを「唐胡粉(からごふん)」、塩化物系鉛化合物は「倭胡粉(やまとごふん)」と区別していたと考えられる。

第74回 正倉院展、2022年

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