パルティアン・ショット(ぱるてぃあん・しょっと)paruteian shotto
後ろ向きに矢を射る騎馬人物のモチーフ。この名称は、パルティアの騎兵が追手に対し後ろ向きに矢を射る戦法に由来する。古くはスキタイ美術に登場し、中国でも漢代には見られるが、ササン朝ペルシアの帝王狩猟図に取り入れられて各地に伝播し、中国では唐代に流行した。法隆寺の獅子狩文錦が代表作として有名。正倉院では、狩猟文錦(北倉一八二、南倉一七九)、接腰(南倉一二一、一三七)、銀壺(南倉一三)に見られる。
第73回 正倉院展、2021年