百済(くだら)kudara
朝鮮半島の古国名。半島南西部にあった馬韓(ばかん)を前身として四世紀に建国された。六世紀中頃の聖王(せいおう)(聖明王(せいめいおう))の時代、欽明天皇へ仏像・経巻等を贈ったことが日本最初の仏教公伝(こうでん)とされるように、大和朝廷との繋がりが深く、新羅(しらぎ)や高句麗(こうくり)に対抗するため外交を行った。六六〇年、新羅と結んだ唐の侵攻により百済は滅亡する。これを受けて中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)(天智天皇)が救援軍を派遣するも、白村江(はくそんこう)の戦いに破れて百済復興は挫折に終わった。
第72回 正倉院展、2020年