東大寺大仏(とうだいじだいぶつ)Tōdaiji Daibutsu
東大寺大仏殿の本尊である盧舎那仏(るしゃなぶつ)の金銅像。当初の像高は五丈三尺五寸(約一六メートル二〇センチ)であったと記録に残る。聖武天皇(しょうむてんのう)の発願によって天平十五年(七四三)に造立の詔(みことのり)が発せられ、天平十七年(七四五)に制作が開始された。天平勝宝四年(七五二)に行われた開眼供養(かいげんくよう)は仏教が伝来して以降最大の盛儀とされ、ここで使用された多くの宝物が正倉院に伝えられている。斉衡二年(八五五)の大地震や治承四年(一一八〇)、および永禄十年(一五六七)の兵火などによって、度重なる災害を受けながらも復興され、今日も多くの崇敬を集めている。
第74回 正倉院展、2022年