磁器(じき)jiki

長石(ちょうせき)や石英(せきえい)、カオリンなどを多く含む素地を用い、およそ千三百度以上の高音で焼き上げた硬質の焼き物。伊万里(いまり)や九谷(くたに)が代表的で、吸水性がなく、薄手のものは陽にかざすと光が透ける特性がある。ただし、中国の白磁(はくじ)や青磁(せいじ)はこの意味での磁器ではなく、釉薬をかけて高音で焼成した陶器である(「瓷器(じき)」という)。正倉院の「磁皿」「磁鉢」なども同じく施釉された陶器であり、明治時代の宝物整理で「瓷」の代わりに「磁」の字が充てられた。

第75回 正倉院展、2023年

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