『延暦十二年曝凉使解』(えんりゃくじゅうにねんばくりょうしのげ)Enryakujūninen bakuryōshi no ge
延暦十二年(七九三)六月十一日付けで、「東大寺使」が宝庫内の「香薬」等を「曝凉」したことを報告した文書(もんじょ)。このときの曝涼は、桓武天皇の勅(ちょく)を奉(たてまつ)って出された太政官符(だじょうかんぷ)に基づき、長岡京から派遣された使者団(=東大寺使)によって、僧綱(そうごう)と東大寺三綱の立ち会いのもと実施された。文書は、はじめに宝物名と数量のみの目録を列記し、次いで収納された櫃別に宝物の詳細を記している。
第71回 正倉院展、2019年