印蔵(いんぞう)inzō

東大寺大仏殿北東の上司(かみつかさ)と呼ばれる地区にあった校倉(あぜくら)。東大寺の重要文書のほか、寺印(じいん)を納めていたことからこの名がついたと考えられている。久安三年(一一四七)に作成された「東大寺印蔵文書目録」(中倉一四)によると、「銅勅施入文一枚」(中倉一四・銅板勅書)や、天平宝字四年(七六〇)の「高野天皇(孝謙天皇)御勅書一通」(中倉一四・東大寺封戸処分勅書)などが印蔵に納められていたことがわかり、これらは現在、東大寺献納図書(とうだいじけんのうとしょ)として正倉院宝物となっている。

第69回 正倉院展、2017年

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